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[3513] Tue Oct 16 12:33:56 JST 2007 児玉画廊

児玉画廊|東京では10月13日より11月24日まで金氏徹平「Smoke & Fog」、並びに児玉画廊(大阪)では10月27日より12
月8日まで金氏徹平「Hole & All」を下
記の通り同時期開催する運びとなりました。

金氏は有形無形に関わらず存在する、あらゆる事象の境界線をテーマに
制作を
続けています。例えば手元にグラスがあるとすならば、そこには既にあ
らゆる
境界が存在しています。グラスをグラスとして認識させる輪郭は、それ
と同時
に周りの空間と内側の空間とを断絶させている境界線となります。ま
た、透明
なグラスを通して見れば物は歪んで見えますが、それは固有の輪郭を崩
壊させ
るフィルターのような役割としての境界と言うことが出来ます。さら
に、原料
の硝石から液状となってグラスの形へと再び固定されるという流動する
プロセ
ス自体、金氏の言うところの「境界の不確かさ」に気付かせる一例で
す。この
ように金氏にとっては事物のあらゆる側面が境界という言葉を中心とし
て千変
に流動しています。非常に広い意味合いにおいては、金氏にとって作品
制作は
物の存在の根源を探る行為であるとも言えます。

今回児玉画廊|東京にて発表する「Smoke & Fog」は、広島市現
代美術館のス
タジオでの個展「Splash & Flake」(2007年)に更に
手を加え再構成した内容と
なっています。 特に流動物(液状の物質やそれらを想起さ
せる代替物を含め)
を使用することによって、流れ落ちる氷柱のような形状、色が溶けたり
滲んだ
りする様、樹脂やガラスの透過性あるいは可塑性がその流動する過程で
動きを
阻まれたように立体、あるいは平面状に固定されています。金氏にとっ
て、こ
の流動性は一つの境界へ至るツールだと言えます。全ての物の形や色な
どの個
性を押し流し、覆い隠し、あるいは解きほぐしてしまう性質こそが、こ
うした
作品上において逆説的に物に輪郭や境界線があるのだということを際立
たせ、
見る者の想像力はかえって物の輪郭を曖昧な形状の中に無理矢理にでも
認めよ
うとします。

一方、児玉画廊(大阪)で発表される「Hole & All」では、金氏
にとってもう
一つの重要なツールである表裏性を感じさせる内容となっています。心
理的、
あるいは構造的に存在する物の表裏とは、金氏にとっては一つの境界で
あり、
ある中間層を隔てて存在する鏡像的世界観です。それは背後に潜む不穏
な気
配、不確かな存在、幽霊やモンスターのようなものであり、また中身の
見えな
いブラックボックス、鍵の掛った宝箱のような期待と秘密に覆われたも
ので
す。穴やパイプ、内部空間を有した容器の類は全て、金氏の手が加わる
ことで
裏側へ至る暗い通路として生まれ変わります。例えば最近のシリーズ、
黒いイ
ンクやコラージュで構成された「black puddle」はその名の通り
黒い水たまり
を模していますが、それは、水たまりに映る鏡像としての別世界が口を
開けて
いる様と捉え直すことも出来ます。配管を同色のグレーの樹脂で覆った
新作で
はグレーと言う色のもつ曖昧性とともに、素材の配管パイプが曲がりく
ねった
暗い通路を内包するものとして不気味に立ち上がる様を想像させます。
また砂
を満たした様々な容器で構成するインスタレーションにおいてもまた同
様に砂
という重たい流動性と何かを分厚く埋め隠すような秘匿性が、これまで
の平面
的な境界ではなく、空間的な境界を想起させます。これまで、白色や輪
郭線な
ど、空白もしくは空虚、かつ鮮明なイメージがモチーフの主体であった
のが、
より空間的な密度を増し、裏側を覆い隠すような性質を伴って、見るも
のの心
理的な境界線に働きかけるような側面を見せ始めています。

つきましては本状をご覧の上展覧会をご高覧ご宣伝賜りますよ
う、 何卒宜し
くお願い申し上げます。

敬具
2007年10月 
児玉画廊 小林 健

記:

作家名: 金氏徹平 (Teppei Kaneuji)
展覧会名: Smoke & Fog
会期: 10月13日(土)より11月24
日(土)まで
営業時間: 11時−7時 日・月・祝休廊
会場: 児玉画廊|東京


作家名: 金氏徹平 (Teppei Kaneuji)
展覧会名: Hole & All
会期: 10月27日(土)より12月8日
(土)まで
営業時間: 11時−7時 日・月休廊
会場: 児玉画廊(大阪)
オープニング: 10月27日午後6時より


お問い合わせは下記まで

児玉画廊
〒541-0051 大阪市中央区備後町4-2-10 丸信ビル2F
T: 06-4707-8872 F: 06-4707-8873
e-mail: info(a)KodamaGallery.com 
URL: www.KodamaGallery.com

児玉画廊|東京
〒162-0812 東京都西五軒町3-7 ミナト第三ビル4F
T: 03-5261-9022 F: 03-5225-7063
e-mail: info(a)KodamaGallery.com
URL: www.KodamaGallery.com


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