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[3156] Wed Mar 1 11:13:02 JST 2006 潮の記憶・橋本清展記憶

 <潮の記憶・橋本清展>


   「潮の記憶」

橋本清が生まれ育った古和浦は、伊勢と熊野のあいだにある。
この村の沖合に流れる黒潮は、外の世界とつながっている。
この潮に流されてきたような船板を、過去の出来事を顕すコトとして作品にしている。
昔、はるか南の海で沈んだ船のコトである。キャンバスに描かれた波の画と、
張付けられた流木のオブジェは、自然と人間の対立のようにも、
共生しているようにも感じられる。作品は作家の記録であり、
過去と現在の事象をつなぐ魂の呼びかけとなる。
橋本清の作品は、潮の記憶を現代に呼び覚ます画とオブジェになるのである。


カタログ寄稿文抜粋 : 

   「合理と非合理の混戦」   木村重信(兵庫県立美術館長)

これらのオブジェは船の廃材である。南伊勢町(旧島津村)うまれの彼は、
戦時中、貨物船が5人の船員とともに徴用されて、東南アジアの邦人引き
揚げに向かい、フィリピン沖で米軍の魚雷に撃沈されたという思い出がある。
したがって、これらの船材オブジェにはその苦い思いがこめられていて、
いわば生理的かつ非合理的である。(中略)このような振幅の大きさは、
橋本芸術の特徴であって、彼は平面と立体との対立、あるいは合理と
非合理との対立を、より高次の調和にもたらそうと… 
 …それは、彼の作品が現代の混沌を母胎とするが故である。


   「オブジェの歴史」      鴻 英良(演劇批評家)

橋本清の作品は、その形態よりも、オブジェの記憶と深く関係しているように思える。
(中略)橋本がカンバスに張りつけたような "見出されたオブジェ"は、世界最古の
文化においては、"死者の世界"、"彼方の世界"とつながりを持っていると信じられ
ていたが、実は、こうした神話的な感性は、現代社会の問題を改めて考えようとするとき
のヒントにもなるのである。そのように考えるとき、橋本が偶然のように見出し、
ついにいま、カンバスに張りつけようと考えたこの"見出されたオブジェ"たちこそは、
外の世界への窓になることによって、われわれが閉塞的なところから脱出しようとするときの
契機をもたらすものになるであろう。(中略)そのオブジェが始動させる記憶こそが
橋本清の出発点なのだ。…


会   期: 2006年2月18日(土)〜3月18日(土)

主   催: 潮の記憶・橋本清展実行委員会   (土曜日、作家在館)

尼信博物館: 兵庫県尼崎市東桜木町3番地(阪神尼崎駅下車徒歩5分)

       Tel 06-6413-1121 http://www.amashin.co.jp/kaikan/index.html

開 館 日: 火曜日〜土曜日  開館時間: 午前10時〜午後4時

入 館 料: 無料       休館日 : 日・月曜日・祝休日



  波枕 "Wave-Pillow" 2005     1500×3500

        (キャンバス上に船板の廃材)


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