倉智 久美子「open studio 208-展示の試み-」

自宅にてささやかな展示を致します。8週間に渡って公開いたしますので、是非覗いてみてください。昨年個展をしました。その時も不思議に思ったことは、作品はなぜか一つよりも複数あるほうがおもしろいということでした。ひとつ置けばすぐふたつ置きたくなり、みっつよっつと数を増やしたくなります。そして、もちろん作品はひとつでも作品なのですが、そのディテールよりも展示の全体が視覚に残っているということもよく経験することです。わたしのアトリエではたいてい複数の作品が同時進行しています。必ずしも連作という訳でもないのですが、思考のある部分が繋がっていて互いに呼応しながら作品ができてゆくからなのでしょうか。アトリエでの時間は重層し、後ろの壁に掛かりっぱなしの旧作まで視野に入って進行中の作品とおしゃべりしています。そしてそのことは日常といえども現実から遮断された時間のメタファーであり、作品が置かれた場所となった空間それ自体が互いの意味の含みを交差して、「作品が想起させるものを象徴化すること」から逃れ、終わりのないものに向かう要因となっているような気がするのです。だから、いわゆる個展ないしは完成されたとみなされる展示には、それだけでは何となく物足りなさを感じていました。そして、時間、空間、複数の作品、と言ったようなものに興味をひかれていました。そんなときに、友人から送ってもらった絵画の自己反映性をめぐる論文にはアトリエでの時間の妙が記されていました。また、今も強く印象に残る展覧会の一つに、ある作家の年代を経た作品が全く新しい中世的な空間に注意深くインスタレーションしなおされることによって新しい経験と空間を喚起させる、といったものがありました。そんなことを日々思ううちに、自宅を使って作品を入れ替えながら、ロングランの展示をしてみようと考えました。自宅ですから、完璧には出来ませんが、それもまた展示を考えるきっかけになるかもしれないと思います。展覧会というより展示の試みです。展示は新作旧作を交えて毎週少しずつ変えていきますので何度か覗いてください。土曜日曜月曜と開けています。日曜と月曜はわたしは必ずいます。春風に吹かれて、お目にかかるのを楽しみにしています。 Map

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